長時間透析
長時間透析とは
長時間透析とは、週3回1回6時間を基本とした週18時間以上の透析治療のことを言います。
腎臓は毎日休むことなく働き、1週間に168時間活動しています。透析はその腎臓の代わりを行う治療ですので、短い透析時間では不完全なものになってしまいます。より多くの尿毒素の除去、身体への負荷の少ない除水、これらを行うには長時間透析を行う他ありません。長時間透析のメリットとして、以下のことがあげられます。
① 生命予後がよい。
② 日常生活の質が向上する。
③ 食事制限が緩和される。
④ 合併症発症のリスクが低下する。
特に、水分制限は変わらずありますが、長時間透析によって食事制限が緩和されます。ご家族の方と同じ物を食べ、バランスの取れた食生活を送れば健康状態も改善していきます。また十分な透析効果を得られるため、透析直後の倦怠感は軽減し、終夜透析の方においては、透析直後から出勤され、いつも通りにフルタイムで仕事を行っていただくことが可能となります。体調不良の回数も減少し、薬剤の使用量も減少、心臓への負担や透析アミロイド症の合併頻度の減少など、将来の合併症に対するリスクも軽減します。そして、最大のメリットとして10年後の生存率が大きく向上します。
長時間透析の効果
透析時間は長ければ長いほど生存率は向上します。グラフの「日本透析医学会」は標準的な透析時間でのデータです。1回4時間・週3回だと10年後の生存率は30%ほどになります。1回6時間・週3回の透析を行った病院では55%ほどで、週4回・合計22時間ではなんと70%の方が生存されています。このように透析時間によって10年後の生存率は大きく変わっていきます。
透析時間が長くなれば薬剤使用量も減少します。当院にて透析導入後18年経過の後に長時間透析に移行した方の経過の一例をお示しします。
降圧薬減少以外に、当院で長時間透析を受けられている方からは、「元気になって充実した生活を送れるようになった。」「仕事も遊びもフルでがんばれる。」「食欲もあり食事がおいしい。」「睡眠薬がいらなくなった。」という声が聞かれます。
長時間透析をやってみたい、と思われる方は、お気軽にお問い合わせ下さい。(093-671-2311)
■参考文献
- こうすれば透析者は「元気で長生き」できる! 堀澤毅雄 ソレイユ出版
- 1日6時間以上の長時間透析と限定自由食—患者と家族のための解説書 金子浩 他 東京出版社
- 21世紀の慢性透析治療法を革命しよう 第4集 長時間透析物語〜主として食塩(Na)と血圧および栄養の物語です〜 金子浩 他 東京医学社
オーバーナイト透析
オーバーナイト透析とは
夜間の睡眠時間を利用して7~8時間透析をすることです。
透析時間を十分確保できるため体への負担が少なく、
十分な毒素の除去による血圧の安定化など多くの効果が期待できます。
「長時間透析をしたいけれど、次の日も仕事だから出来ない」「透析をしたいが、残業で行けない」。そんな方のために、オーバーナイト透析があります。夜の10時から朝6時まで透析を行うことで、患者さまのライフスタイルを崩すことなく、長時間透析を行うことが可能となっております。
当院で行うオーバーナイト透析
当院では「仕事をされている方」を対象に、オーバーナイト透析を行っています。
オーバーナイト透析の条件
- 仕事をされている方
- 重篤な合併症のない方(心疾患など治療中に危険を及ぼすような合併症)
- 週3回実施できる方
機能性と快適性を備えたオーバーナイト透析ブース
仕事をされている方のための「オーバーナイト透析」。仕事で疲れた身体への負担が少しでもやわらぐように、機能性と快適性を兼ね備えたブースをご準備しております。また、シャワールームもございますので1日の汗を流し、気持ちよく透析を受けられます。
オーバーナイト透析ブースの詳細
プライバシーの確保
セミクローズの個室をご準備しております。睡眠中もスタッフが巡回しておりますので、安心して過ごして頂けます。プライバシーと安全性を兼ねそろえていますので、ゆったりとご自分の時間を過ごすことが可能です。
機能性と快適性
各室内にテレビとブルーレイドライブを設置しております。天井部には読書灯もありますので、消灯後も思い思いの時間を過ごせます。
インターネットが利用可能
ノートパソコンをお持ち頂くことでインターネットを使用することが可能です。コンセントとLANポートのみご準備しておりますのでご注意ください。
通勤に便利なアクセス性
八幡駅徒歩4分
最寄り駅であるJR鹿児島本線「八幡駅」東田方面連絡通路より、およそ300mほど。バスをご利用の方は「八幡駅前」バス停下車されてください。
駐車場完備
16台まで駐車可能。
東田ランプまで300m
クリニックのすぐ近くに東田ランプがあり、八幡ICまで約13分です。